前の私の記事がややかたいテーマになってしまったということもあり、今回は少し肩の力を抜いて、他愛もないことを思いつくままに書き連ねたいと思います。

 この仕事に就いて30余年、世の中の移り変わりに伴ってこのIVYキャンパスも大きく変貌をとげたように思います。もちろん塾としての基本的な理念は一貫していますが、やはり様々な点で変わってきたな、と実感せざるを得ません。

 その一つが生徒の皆さんの様子。ひとことで言えば「ここ10数年でおとなしく真面目なお子さんが増えたなあ」という印象です。保護者面談などをしてみると「家では全然そんなことないんですけどね」と仰っしゃる方も多いんですが、いずれにせよ私ども講師にとっては仕事のやりやすい状況になったと言えましょう。

 教育現場における体罰、厳しい指導の禁止によって、生徒たちは荒れる一方になるのではとの当初の予想は今のところ現実のものとはなっておらず、どういうわけかむしろ上述のような印象を抱くケースが多くなっています。

 一昔前(もう20年以上も前になりますか)は私どもIVYキャンパスにおいても、休み時間になると生徒の間で喧嘩が始まったとか、誰それがふざけてガラスを割ってしまったとか、そんなことに始終振り回され、授業中でも態度の悪い子が必ず何人かはいて、我々講師を悩ませてくれたものです。

 といっても悪いことばかりではありません。当時は休み時間になると生徒たちに混じって講師も野球や卓球に興じたり、相撲を取り合ったり、なんてことが普通でした。また、面白い漫画があると聞くと一緒に読んでは笑い合ったりしたものです。我々も若かったんですね。相撲なんかしてあの時怪我でもさせてたら、なんて今思い出してもひやひやもんです。

 また生徒のことはほぼ例外なく親しみを込めた独特のニックネームで呼んでいたものです。現在も親交のある元塾生などは、20年以上経った今でも当時の呼称でやりとりしており、「あだ名一切禁止」なんていう最近の風潮を耳にするとまさに隔世の感があると言えます。

 このように述べてきたからといって、ヤンチャな子も多かったけど塾全体にごちゃごちゃした活気があったあの頃に戻りたい・・などと言う趣旨でこの文章を書いているわけではありません。変化の原因をたとえばスマホの普及あたりにもとめることもできるのでしょうが、それもまた無意味なことに思えます。

 昔は昔、今は今の良さがあるのは当然で、まあそれもこれもみな時代の流れ、ということでしょうか。ただ時折当時のことを振り返っては一人でニヤけたりしながら懐かしさにひたって「そういえばあの子は今頃どうしてるかな」なんて思うことが多くなってきた今日この頃です。
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